墓拓のすすめ
古い、江戸時代の墓は、風化して文字が目視で判別できないことが多々あります。
目視では全く文字があるとは思えなかったところに、墓拓により実は文字があったとわかることが
多々あります。
また、1、2年前は読めた文字が、急激に劣化して今は見られなくなったというケースもあります。
古い墓をお持ちの方は、なるべく早めに、墓拓をとることをおすすめします。
墓拓を取っているところ
古いお墓は、石がボロボロになってきたり、刻んだ文字が消えかかっていたりします。
拓本をとるのは意外と難しいです。そして作業時間がかかります。
初めて取る時は、なかなか上手く取れなくて驚くかもしれません。
一度とってみて、上手くとれなかった場合、やり方を変えてとりなおすこともあります。
部分的に不鮮明な箇所を、もう一度そこだけとりなおすこともあります。
何時間も立ったり座ったりしていると、やはり疲れてきます。
わかりやすいきれいな刻みがまだある記念碑と違い、古いお墓に向き合うには根気が必要です。
しかし、そこから昔の人が刻んだ文字が見えた時、とても心が躍ります。
難しい墓拓のケース
苔や地衣類で、文字がつぶれてしまっている場合
⇒ 基本的には、当会では除去はいたしません。石が削れて文字が消えてしまうことを
避けるためです。簡単にとれる場合には、軽く落とすことはありますが、写真の
ような状態では、除去することはほぼできません。
墓石をまとめてしまって、隙間がほとんどない場合
⇒ 隙間に手や道具が入ればとれます。しかし思うように墨をのせられない
場合もあります。
腰を痛めないようにご注意ください! なんとか手が入りました。
墓拓をご自身でおとりになる場合、
なるべく苔や地衣類がつかないようにこまめにお手入れされると良いと思います。
4〜6月頃は赤ダニが大量に発生するので、墓拓紙に赤いシミがついてしまいます。
墓石を水で洗い流したり、対策が必要です。できれば違う時期をおすすめします。
低い位置での作業が多いので、腰を痛めないようにご注意ください
風のある日は紙がなびいてしまい、晴れた日は紙がすぐに乾いてしまうため、
風のない曇った日をおすすめします。